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Jazz専門の全国誌、「Jazz Life」の「Sweet Standards」ディスクレビューです。
「~スウィングの魅力に新たな光を当てた夢の共演~ 骨太なビ・バッパーとして知られる九州男児のピアニストと、プレイング・マネージャーとしてJヴォーカル界を支えながら革新的なアプローチで自己の世界を追求するヴォーカリストとの”夢の共演”が実現した。
野本からのオファーは”楽しく愛嬌があり、ストレートで素朴で美しいスウィンギーな表現を用いながら、ソウルやR&Bやゴスペルやポップスに偏り過ぎないジャズ・アルバム”というもので、それに対して三槻直子はこれまで自身のアルバムでは敢えて取り上げてこなかった誰でも知っているスタンダード・ナンバーに向き合うことで応えようとした。
サウンドを司るのは野本のトリオで、彼らと三槻は九州ツアーで何度も共演していることも全体のリラックス感を増幅させる好結果につながっている。
岡安芳明は野本とともに九州を回る”常連”だったが、三槻は岡安の2000年のアルバム「グッド・ライフ」に参加して以来の久々の共演ということで、リラックスした雰囲気のなかにも常にサムシングを求めて止まない三槻らしさを表現する絶好の舞台を演出することになった。その成果はギターのみの伴奏で歌い上げた「いそしぎ」を聴いて判断していただきたい。
”ジャズとはなにか”を問い続け、いたずらにヴァリエーションを増やすことを潔しとせずに自己と闘ってきた者のみが到達できた至極の空間をゆったりと味わいたい。」<富澤えいち>