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8月16日から20日までの5日間、山口の萩市に滞在しました。
目的はJAZZ界のの歴史的ピアニストBarry Harris氏のワークショップに参加するためです。
Richard Davis(Bs),Lewis Nash(Ds)という豪華な講師陣のワークショップ、全国からプロアマ問わず、たくさんの参加者、見学者がいらっしゃってました。昼には子供の部もあったりして、ほのぼのとしたワークショップでした。
Barry Harris氏(御年76歳)は僕の大学時代からのアイドルのひとり。バド・パウエル、セロニアス・モンクといったBe-Bopのサウンドを今本当に表現できるのはバリーさんしかいないと思っています。実際に「バドが言ってたのは~」「ディジーはこうやったんだけど~」なんて、自分にとっては歴史的なプレーヤーの名前が出たりすると、バリーさんの長年の歴史を感じますが、しかし今もそのピアノプレイは健在。僕も2002年から今年にかけての過去5回、N.Y.のビレッジバンガードでライブを聴かせていただきました(続けて2日間全セット聴いたときもあった・・・)。
今回ピアノが3台用意されてて、隣のピアノに座ってかなりの時間弾かせていただきましたが(バリーさんの歌伴したり?!)バリーさんのピアノ、本当に不思議な音色をしてます。同じハーモニーを押さえてるのに同じに聴こえないという不思議な経験が何度もありました。大きな手で絶妙のタッチ、タイミング、バランスで弾かれるそのサウンドは一生の想い出になるでしょう・・・。
バリーさんは歌やスキャットが大好き、スタンダードJazzのレパートリーは本当に幅広く歌える曲は全て弾けるという印象。サウンドに関しては独自の美的センス、セオリーで、レッスン中も絶対妥協を許さない部分もあって、レッスン生に向かってかなり興奮して教えていらっしゃる瞬間もありました。でも、本当はすごく気さくな性格で皆に慕われていて、時々ジョークで皆を笑わせたり、いいサウンドを弾くと目を見てニコーッ・・・。
バリーさんと僕とのやりとりの中で、「そのサウンドを弾くと君はアマチュアに逆戻りだよ(笑)」なんていわれたり「僕はこれが好きだけど君がそう弾きたいのならいいんじゃない?」というような会話もあって、個人的には本当に楽しかった。そうそう、ボーカル受講生のレッスン中にニヤニヤ笑いながら、絶対バリーさんしかしないであろう特殊な弾き方を、僕に真似しろと言うのでやってたら、僕ができないのを見て「ヒヒーィー!」って悪ガキみたいな笑い方をして喜んでました。
美しい萩の町で、九州から一緒に参加した仲間や、各地でお会いしたことのあるJAZZファンの方たちとの再会、新しくできた友人など本当に楽しい5日間でした!バリーさん、いつまでもお元気で、またその素晴らしいピアノを聴かせて下さい!!